摺り足について

008すり足は日本独特の歩法であるが、その歩み方はそれぞれに考え方、やり方がある。

お能、武道など伝統芸能によくみられる。

当会で行う摺り足もそれらを研究体感して編み出したものを基礎稽古として行っている。

摺り足を行う目的はいくつかあるが、一つには腰を落としたほうが当会の身体動作では動きやすいということ、けり足が利きすぎると上下動が激しくなり、武術などでは相手からみると隙になってしまう。また動きから動きの間を開けないため、腰を落とすことにより気が静まり動揺しにくくなる、結果動きの中でも冷静に相手、自分を見ることができる等。

人は咄嗟の緊急時に身構える本能がある、その時に無意識に重心を落とし動揺を防ぐ。

その時の膝の抜きなどは摺り足の形に似る。

摺り足のやり方は股関節、ひざ、腹筋、腰椎、足首などが連動され、前傾にならずに手は丹田、またはお臍のあたりに置き、目線は下を見ず、正面を見、上下動が無きように心がけ進む。摺り足を後ろから見たら前の者の足裏が見えぬ様にけり足を消すのが大事。

スムーズに行えるようになるには3年以上はかかる。

地味な動きの摺り足であるが、この動きを身につけねば前には進めない。剣も振ることはできない。会発足当初は摺り足だけに30分もかけていた。それほど重要な動作である。